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住みやすい日本を! 更新日 2001/06/10 掲載日 2001/06/10
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H13年5月16日 H13年5月17、20日 カビ死滅の条件について
質問/回答
[質問]
これからエアコンを購入しようとしていまして、メ−カ−数社のカタログを見ていろいろ比較しております。 日立のエアコンのカタログの中に、環境生物学研究所 阿部恵子先生の国際学会でのご報告のデ−タから「湿度40%で3時間以内にカビが死滅する」ことが紹介されていまして、湿度40%まで除湿できる機能を持つ機種が売られております。
別のメ−カ−のエアコンでは湿度50%までしか除湿できないのですが、湿度50%ではカビは死滅しないのでしょうか?また、湿度50%で死滅する場合、どのくらいの時間で死滅するのでしょうか?以上、質問させていただきます。
おいそがしいところ申し訳ございませんが、ご回答いただけますよう、よろしくお願いいたします。

[回答]
5月17日
専門的な質問で当方では即答できません。近く阿部先生に回答をお願いしますのでしばらくお待ち下さい。

5月20日
カビが湿度何パーセント何時間で死滅するかというご質問ですが、死滅するのは菌糸だけです。胞子は植物の種子に相当するもので、乾燥状態でも生き残ります。
菌糸が死滅する条件は、カビの種類によっても違いますし、同じカビでも育った湿度条件によっても違います。Indoor Air' 96ではユーロチウムというカビを使い、「育てた相対湿度」と「死滅する相対湿度」の関係を発表しました。
内容は以下の通りです。

ユーロチウムの菌糸は、

  • 相対湿度93.6%で育った場合、相対湿度61.8%で4時間、52.9%で2時間、43.2%で1時間で死滅。
  • 相対湿度84.3%で育った場合、相対湿度61.8%で16時間、52.9%で8時間、43.2%で1時間で死滅。
  • 相対湿度80.7%で育った場合、相対湿度61.8%で24時間、52.9%で16時間、43.2%で1時間で死滅。
  • 相対湿度75.3%で育った場合、相対湿度61.8%で死滅せず、52.9%で16時間、43.2%で3時間で死滅。
  • 相対湿度70.8%で育った場合、相対湿度61.8%で死滅せず、52.9%で24時間、43.2%で3時間で死滅。
    (相対湿度75.3%では発芽するのに1週間、70.8%では発芽するのに1ヶ月かかります。)

日立も三菱電機もダイキンもこのデータをもとにしています。
私の所での今までの調査では、室内に多い好乾性カビは全て、相対湿度低減で菌糸が死滅しました。低湿に強い種類の菌糸でも死滅するまでの期間が、上記の50%増程度です。ただし菌糸を直に低湿空気に接触させていますので、建材内部に食い込んでいるカビ菌糸の死滅にはあてはまりません。
室内でカビを育てて死滅させることを期待するより、育たない環境にしておくほうが良いと思います。その場合、相対湿度65%を切っていればカビは発育しませんので、相対湿度50%でも充分です。
ご参考に、私の家のリビングでは夏はエアコンと除湿機を両方同時に使っています。 暑い時間帯はエアコンが稼働、夕方になり温度が下がればエアコンが止まり、相対湿度が上がれば除湿機が稼働を始めます。寝る前はエアコンを送風に切り替え、3時間エアコン内部を乾かします。エアコン内部の乾燥は、エアコン内部でカビが育つのを抑えるためです。

阿部 恵子

回答に対するお礼
標記の件につきまして、お忙しいところ、早速のご回答をいただきましてたいへんありがとうございました。
まさか、先生ご自身から直接、しかもこんなに早くにメ−ルをいただけるとは思ってもみませんでした。 それも、たいへん詳細で、わかりやすい情報で感激しています。これで充分納得した上で、エアコン機種の選定ができます。
貴重なお時間をさいていただいて、ご回答いただけたことは本当に感謝しております。ありがとうございました


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